借金癖のある人の最大の特徴は平気で嘘をつくことです。
たとえ問い詰めても、借金を否定したり実際の金額より少なく見せたりします。
これは家族など周囲の人に余計な心配をかけまいとしてのことです。
借金などしていない、もしくはしていても少額であるということを示して、深刻な状態ではないと言いたいのです。
ふつうなら「心配をかけたくないなら、最初から借金しなければよい」と思いますが、その常識が通用しないのが借金癖のある人の特徴です。
通常の精神状態では非常識に思えても、そのことに気づかないのが借金癖のある人の精神的な特徴です。
自分でも借金は後ろめたいことで止めるべきことという自覚はあるのですが、嘘やごまかしでなんとかやり過ごそうとし、その結果、ますます借金の深みにはまって迷惑をかけ続けることになります。
ここまでくると単に癖では片づけられない状態です。
精神的な病気の一種と言ってよいでしょう。
アルコール依存症の人がお酒を飲んでいることを否定するのと同じです。
ですから、説得して止めさせることは不可能と考えてよいでしょう。
いけないとわかっているのに借金してしまう人というのは、何も計画性がないとか意志が弱いとかそういう問題ではないのです。
自分の意思ではコントロールできない病気ですから、いくら家族が怒ったり泣きついたりしても効果はありません。
同じく家族が尻ぬぐいのために代わりにお金を返しても効果は薄いです。
借金癖から抜け出させるいちばんの方法は、家族や周囲の人も病気だと認識して対処することです。
具体的には専門の医療機関を受診することになります。
専門の医療機関で家族も一緒に話を聞けば、借金癖が単なる癖や意志の弱さではなく、ギャンブル依存症などと同じく、精神的な疾患であることが理解できるでしょう。
具体的には精神科や心療内科を受診することです。
もちろん家族が受診を促したところで、借金癖のある当人がすんなり言うことを聞くことは少ないでしょう。
また、受診すればすぐに解決する問題でもありません。
カウンセリングや自助グループの力を借りて一生かけて治療していく問題です。
前途は多難ですが、それでも今のまま借金に苦しんでいるより良い結果が待っていることは間違いありません。
まずは本人と周囲の人が病気と認識することが大切です。
病気を自力で治すことは不可能ですが、病気を認めて治療を行う決心をするかどうかは本人と周囲の人の協力にかかっています。